田園調布のカエル_1


■田園調布本町児童公園


東京都内屈指の住宅街・田園調布。
幼き頃同区内に住みながら、一度も立ち寄るコトのなかった彼の地で、
量産型のカエルちゃんに、出会った。


海の幸い 波打つところ〜♪
タマヲの小学校の校歌の出だしは、こんな歌詞だ。
最後まで学校名が出てこないところが気に入っていた。
その小学校の社会科の授業で、自分の住む区内に『田園調布』なる
場所があることを知った。
地図で見ると、駅から不自然に放射状の道が伸びている。
キレイに整備された町並み。
長島選手(現在、セコムおぢさんこと・巨人軍名誉監督)始め
有名人が数多く住んでいる、都内屈指の高級住宅街だと教わった。
町工場を営み、夕食のおかずはコロッケ1個だったタマヲ宅とは
全く違う世界のお話。
海沿いの京浜工業地帯に生まれ育ったタマヲは、
これまで大田区の内陸側・山の手地区に入ったことがなかったのだ。

で、その大田区の内陸側から海側へ抜ける電車が、
東急池上線である。
JR五反田駅からJR蒲田駅へ抜けるルートは、
住所的には田園調布を通過しているのだが、
池上本門寺のお膝元を通る下町情緒溢れる路線なのだ。
電車は何と4両編成。

そんな沿線にある『御嶽山駅』付近にカエルちゃんがいる
公園があると言う。
『御嶽山駅』は『オンタケサン・エキ』と読む。
まるで東京都内とは思えない音の名前であるが、
(東京の人間は山が見えるとイナカだと思っているのだよ)
駅前にある『御岳神社』が駅名の由来になっているそうだ。

その御嶽山駅を降りて、驚いたね。
「盆踊り&阿波踊り」のチラシがいたるところに貼ってある。
『御岳商店街阿波踊り』なのだそうな。
・・・みんな、そんなに阿波踊り好きか?

日本三大阿波踊り(なんだそりゃ?)のひとつである
高円寺近くに住んでいたことのあるタマヲは、
夏の時期になるとどこもかしこも(杉並から中野、練馬まで!)
阿波踊っているのにウンザリしていたのだが、
最近、在住している東京市部でも阿波踊っているのを見たばかり。
「田園調布よ、お前もか!」
そんな心持ちになったワケだよ。トホホ・・・

トホホ気分で駅の名前の由来になった
御岳神社の前を通り過ぎ、環状8号線を渡る。
渡ったままの道を右手に折れると、
そこからは閑静な住宅街だ。

住所では田園調布とは言え、白亜の豪邸はなく
けれど古めで大きいの住宅がならんでいる道を進むと、
左手にお稲荷さんが見える。
ふらふらとお稲荷さんに近づいてみると、
その横に公園の入り口があった。
看板には、『田園調布本町児童公園』とある。
これが、カエルちゃんのいる公園なのだろうか?
と、園内に足を入れると、
落ち葉やクズで乱雑とした雰囲気とゆーか、ハッキリいって汚い。
閑静な高級住宅街には似つかわしくない園内に
ゲンナリしながら周囲を見回すが、カエルらしきものは見当たらない。

田園調布のカエル_2

入り口の対面に、もうひとつの出入り口が見えたので
そちらへ行ってみるが、
出入り口の階段が落ち葉だらけでやはり汚い。
とても子供が遊ぶような環境ではないのだ。
階段の先は、アパートと住宅の間にある細い路地になっていて、
その路地の突き当たり、公道の手前に緑色のまるい物体が見えた。
あの後姿は、忘れもしない量産型のカエルちゃんではないか?!

走り酔ったカエルちゃんは、毒々しい程の緑色の体をしていて、
満願成就したばかりのように両目が黒々としている。
今迄見てきた同型カエルちゃんたちの体色が剥げ剥げだっただけに
これはかなりの衝撃だ。
さすが、田園調布。
こんなカエル一体にも、金使ってます!
そんな感じ。

カエル塗り替えるくらいなら、園内掃除させろよ。
と毒づいた、貧乏人のタマヲなのだった。




田園調布のカエル_3 田園調布のカエル_4


■住 所
  東京都大田区田園調布本町9
■交 通
 東急池上線『御嶽山』から徒歩10分
■関連サイト
 大田区HP

■訪問日:2005/08/14